『植村直己の冒険の軌跡』は、月刊誌「山と渓谷」の1977年1月号から12月号に連載された「植村直己物語 どんぐり地球を駆ける」をもとに、対談や略歴を加え、1978年6月に刊行された。この単行本が発行されたのは、植村直己が1984年にマッキンリー(現在のデナリ)で消息を絶つ6年前のことだ。
本書では、植村の誕生から大学山岳部時代、アメリカへの渡航での労働経験、フランス・モルジンヌのスキー場でのアルバイト、アマゾン河でのイカダ下り、エベレスト登頂、五大陸最高峰の征服、グリーンランド3000キロ横断、北極圏1万2000キロの犬ぞり旅、さらには北極点やグリーンランドでの単独行に至るまで、壮大な冒険の軌跡が描かれている。
執筆を担当したのは、植村と同期である中出水勲。大学3年の終わりから卒業までの約1年間、阿佐ヶ谷のアパートで植村と共同生活を送った経験があり、その中でのユーモラスなエピソードも本書に収められている。
内容紹介 | 植村直己と明治大学山岳部の4年間を過ごし、共同生活を送った山仲間が描く、稀代の冒険家の青春と終わりなき挑戦。誕生から、大学山岳部時代、世界への旅立ち、アマゾン河イカダ下り、エベレスト、五大陸最高峰登頂、グリーンランド3000キロ、北極圏1万2000キロの犬ゾリ旅、北極点グリーンランド単独行に至る冒険の軌跡をたどる。作家・開高健との対談、冬季マッキンリーにいたる足跡の解説を収録。 |
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目次 | 「冒険野郎」はいま…/ 「アダ培」と「但馬牛」/ 「ゴキブリ」と「どんぐり」/ 110ドルと3500円/ 寂しき代打ホームラン/ アフリカ二つの「冒険」/ 三〇ドルを惜しんで/ エベレストの石の重さ/ 日の丸と武士道/ 極北の大自然と三畳一間/ 白い独房の三一三日/ 北極点に何がある |
発行年月 | 2020年09月 |
出版社 | 山と渓谷社 |
著者 | 中出水勲(なかでみずいさお):1942年、富山県生まれ。富山県立伏木高校卒業後、1960年、明治大学政経学部入学と同時に山岳部に入部。同級生に植村直己がおり、ともに積雪期の剱岳を中心に活動する。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社、スポーツ記者としてボクシングや相撲、ラグビー、アイスホッケーなどを担当。運動部長を経て、日刊スポーツ出版社の取締役編集長を務め、2002年に退社。2020年2月、逝去 |
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