明治大学山岳部100年の歴史は、厳しい合宿と苛酷な山行の日々に彩られている。その根底には険しい山、厳しい自然と対峙できる体力と持久力を蓄え、さらに逞しい精神力をみなぎらせ、弛まぬ精進を続けてきたスピリッツが宿っている。
振り返れば、若き日の記憶の一頁に記された想い出には、泥臭く愚直に、そして一途に、山に向き合ってきた魂が共鳴している――照り返す真夏の太陽の下、重荷を背負って喘ぎ喘ぎ登る仲間の姿、雪降りしきる中、胸を超すラッセルの先陣を切る友、岩壁にザイルを延ばし果敢に攀じ登る頼もしい奴、そして、長い闇の道を黙々と歩いた君の足音 。あの気高い峰、あの急峻な尾根、あのそそり立つ岩壁に、たぎる闘志を燃やして挑んできた踏み跡には、厳しい登高や壮絶な闘いの日々が刻まれている。
時は過ぎ今、創部100周年を迎えた。時代を超え、世紀をまたぎ、積み重ねられてきた数々の山行から激闘の記録を蘇らせ、ここに再録する。
目次
山岳部及び炉辺会による主な国内登山記録
《上級生縦走隊》
1976年12月16日~1977年1月7日〈実動12日 停滞11日 計23日間〉
《赤谷尾根隊》
1976年12月25日~1977年1月7日〈実動12日、停滞2日 計14日間〉
大学スポーツは 4 年間という制約の中で、毎年部員が入れ替わる宿命を負っている。しかし、一方でメンバーが入れ替わっても、継続して活動しなければならないという使命を帯びている。これからの100年、時代とともに社会環境や登山スタイルが変わろうとも、山と真摯に向き合い、地道に一合宿、一山行を積み重ねていってもらいたい。